真夏の炎天下、車のエアコンが効かないと大変ですよね。このページでは、車のエアコンが効かない7つの原因と、それぞれの対処法を分かりやすく解説します。
原因が特定できれば、カー用品店での部品交換や整備工場への依頼もスムーズになります。この記事を読んで、快適なカーライフを取り戻しましょう。
車のエアコンが効かない原因&対処方法7選!
車のエアコンが効かない原因は様々ですが、大きく分けて「ガス関連」「電気系統」「部品の故障」「汚れ」の4つに分類できます。 ここでは、よくある7つの原因とそれぞれの対処法を詳しく解説します。
エアコンによって冷える仕組み
カーエアコンは、エアコンガスを圧縮・膨張させることで冷気を作り出しています。エアコンガスは、コンプレッサーで圧縮されると高温・高圧になり、コンデンサーで冷却されて液体になります。
その後、エキスパンションバルブで急激に膨張し、気化することで周囲の熱を奪い、エバポレーターで冷風を生成します。この冷風をブロアファンが車内に送り込みます。このサイクルのどこかで異常が発生すると、エアコンが効かなくなります。
①エアコンガスの漏れや減少
エアコンガスは、経年劣化や配管の損傷などによって徐々に減少することがあります。ガスが不足すると、エアコンの冷却能力が低下します。そのため、気づかないうちに冷えが弱くなることもあります。
対処方法
エアコンガスを補充する必要があります。ガスの漏れがある場合は、漏れ箇所を特定し修理してからガスを補充します。専門業者に依頼することをおすすめします。
②エアコンガスの詰まり
エアコンガスが何らかの原因で詰まってしまうと、冷媒サイクルが正常に機能しなくなり、エアコンが効かなくなります。原因の特定と系統洗浄が必要になる場合があります。見た目では判断しにくい症状の一つです。
対処方法
詰まりの原因を特定し、修理または部品交換が必要です。専門業者に依頼する必要があります。
③エアコンフィルターの汚れや詰まり
エアコンフィルターは、車内に送られる空気をきれいにする役割を果たしています。フィルターが目詰まりすると、風量が低下し、エアコンの効きが悪くなります。
また、車内のニオイが気になる場合にも関係します。
対処方法
エアコンフィルターを交換します。交換時期の目安は1年または10,000kmごとです。自分で交換することも可能です。
④エアコンコンプレッサーの故障
エアコンコンプレッサーは、エアコンガスを循環させるための重要な部品です。コンプレッサーが故障すると、エアコンガスが循環せず、冷風が出なくなります。
異音や振動が発生するケースもあり、症状が急に現れることも少なくありません。
対処方法
エアコンコンプレッサーを修理または交換する必要があります。専門業者に依頼する必要があります。
⑤ヒューズやリレー切れ
エアコンシステムには、ヒューズやリレーが使われています。これらが切れると、エアコンシステムに電気が供給されなくなり、エアコンが作動しなくなります。この場合、一見するとエアコンが完全に壊れたように見えます。
対処方法
切れたヒューズやリレーを交換します。ヒューズボックスの位置は、車の取扱説明書に記載されています。
⑥サーミスタやサーボモーターの故障
サーミスタは、車内の温度を検知するセンサーです。サーボモーターは、ブロアモーターの風量や風向を調整する部品です。これらの部品が故障すると、エアコンの温度調節や風量調節がうまくいかなくなります。
また、操作しても風量や温度が変わらない場合があります。
対処方法
故障したサーミスタやサーボモーターを交換する必要があります。専門業者に依頼する必要があります。
⑦エアコン配管内部の汚れ
エアコン配管内部に汚れが蓄積すると、冷媒の流れが悪くなり、エアコンの効きが悪くなります。長期間使用していると、内部にカビや細菌が繁殖することもあります。
汚れが原因の場合、エアコン使用時に嫌なニオイを感じることがあります。
対処方法
エアコン配管内部を洗浄する必要があります。専門業者に依頼することをおすすめします。
原因 | 症状 | 対処法 |
---|---|---|
エアコンガスの漏れ/減少 | 冷房能力の低下 | ガス補充/漏れ修理 |
エアコンガスの詰まり | 冷風が出ない | 詰まり箇所の修理/部品交換 |
エアコンフィルターの汚れ/詰まり | 風量低下/異臭 | フィルター交換 |
エアコンコンプレッサーの故障 | 冷風が出ない/異音/振動 | コンプレッサー修理/交換 |
ヒューズ/リレー切れ | エアコンが作動しない | ヒューズ/リレー交換 |
サーミスタ/サーボモーターの故障 | 温度調節/風量調節不良 | サーミスタ/サーボモーター交換 |
エアコン配管内部の汚れ | 冷房能力の低下/異臭 | 配管洗浄 |
上記以外にも、マグネットクラッチの故障やエキスパンションバルブの詰まり、ブロアファンの故障などもエアコンが効かない原因として考えられます。原因を特定し適切な対処をするためには、専門業者に点検してもらうことが重要です。
車のエアコンが効かないときに試すべきチェックポイント!
車のエアコンが効かない場合、まずは簡単なチェックから始めましょう。慌てて整備工場に持ち込む前に、自分で確認できるポイントをいくつかご紹介します。
これらのチェックで問題が解決することもありますし、整備工場に持ち込む際にも的確な状況説明に役立ちます。
スイッチはONになっているか
エアコンが効かない原因として最も単純なのは、エアコンのスイッチがOFFになっていることです。特に、久しぶりにエアコンを使う時や、同乗者が誤って操作してしまった場合などに起こりやすいです。
エアコンのスイッチがONになっているか、AUTOランプが点灯しているかを確認しましょう。また、風量調節ダイヤルが0になっていないかどうかも併せて確認してください。
吹き出し口の温度を測定してみる
エアコンのスイッチがONになっているのに冷風が出ない場合は、吹き出し口の温度を測定してみましょう。
温度計を使って正確に測定するのが理想ですが、手で触れてみて明らかに冷えていない場合も、何らかの異常が考えられます。外気温計と比較することで、より正確に判断できます。以下に、吹き出し口の温度と状況の目安を示します。
吹き出し口の温度 | 状況 | 考えられる原因 |
---|---|---|
外気温とほぼ同じ | 全く冷えていない | エアコンガス漏れ、コンプレッサー故障など |
外気温より少し低い | 少しだけ冷えている | エアコンガス不足、フィルター詰まりなど |
十分に低い | 問題なく冷えている | 設定温度が高すぎる、風量が少ないなど |
温度測定の結果、冷風が出ていない場合は、さらに詳しい点検が必要です。次の項目で紹介する専用工具を使った点検、もしくは整備工場への相談を検討しましょう。
専用工具での点検(プロ向け)
ある程度の専門知識と専用工具があれば、さらに詳しい点検を行うことができます。ただし、これらの作業は危険を伴う場合もあるので、自信がない場合は無理に行わず、整備工場に依頼することをおすすめします。
エアコンガス圧の測定
マニホールドゲージという専用工具を用いて、エアコンガス圧を測定します。ガス圧が低すぎる場合は、ガス漏れやコンプレッサーの故障が考えられます。高すぎる場合は、詰まりなどが考えられます。
適切なガス圧は車種によって異なるため、整備マニュアルなどを参照する必要があります。
リークディテクターによるガス漏れ検知
エアコンガスが漏れている可能性がある場合は、リークディテクターを使って漏れ箇所を特定します。リークディテクターは、微量のガス漏れにも反応する高感度センサーを搭載した機器です。漏れ箇所が特定できれば、修理箇所の特定にも繋がります。
これらのチェックポイントを確認しても原因が特定できない場合や、修理が必要な場合は、専門の整備工場に相談することをおすすめします。自己判断で修理を行うと、症状を悪化させる可能性があります。安全で快適なカーライフを送るためにも、プロの目でしっかりと点検してもらいましょう。
車のエアコンが効かないときはあらゆる原因を調べてみよう
車のエアコンが効かない原因は、エアコンガス漏れ、フィルター詰まり、コンプレッサー故障など様々です。この記事では、考えられる7つの原因とそれぞれの対処法、そして自分でできる簡単なチェックポイントをご紹介しました。エアコンが効かないときは、まずスイッチの確認や吹き出し口の温度測定を行い、異常に気づいたら早めに専門業者に相談しましょう。
自分で対処できるものもありますが、エアコンガス補充や部品交換などは専門知識と設備が必要です。安全で快適なドライブのためにも、適切なメンテナンスを心がけましょう。