オイルフィルターは、安いものから高価なものまで幅広い価格帯で販売されており、その違いが気になる方も多いでしょう。この記事では、オイルフィルターの高いものと安いものの具体的な違いを徹底解説します。
純正品、高性能フィルター、社外品といった製品ごとの価格比較から、あなたの愛車に最適なオイルフィルターの選び方までを詳しくご紹介。この記事を読めば、価格と性能のバランスを理解し、安心してオイルフィルターを選べるようになります。
オイルフィルターの高い安いで違いはある?
オイルフィルターは、エンジンオイルをろ過し、エンジン内部を清潔に保つ重要な部品です。市場には様々な価格帯のオイルフィルターが存在しますが、「安かろう悪かろう」という言葉が当てはまるのでしょうか?
早速、違いの現れやすい特徴について見ていきましょう。
違い①ろ過性能
オイルフィルターの最も基本的な役割は、エンジンオイル内の不純物を取り除く「ろ過」です。このろ過性能こそが、価格差に最も大きく影響する要素の一つと言えます。
安価なオイルフィルターは、コストを抑えるためにろ紙の素材や構造が簡素な傾向にあります。これにより、ろ過できる異物のサイズが比較的大きく、微細な金属摩耗粉やスラッジなどを十分に捕集しきれない可能性があります。また、ろ過面積が狭い、あるいはろ紙の密度が低い場合、目詰まりを起こしやすく、フィルター本来の寿命が短くなることも考えられます。
一方、高価なオイルフィルター、特に高性能を謳う製品は、特殊な合成繊維や多層構造のろ紙を採用していることが多いです。これにより、より微細な粒子(数ミクロンレベル)まで確実に捕集する高いろ過精度を実現します。ろ過面積も広く設計されているため、目詰まりしにくく、オイルの流れを阻害することなく、長期間にわたって安定したろ過性能を維持できます。エンジンの寿命を延ばし、性能を維持するためには、このろ過性能が非常に重要になります。
違い②耐久性
オイルフィルターは、エンジン内部の高温・高圧という過酷な環境下で使用されます。そのため、フィルター自体の耐久性も非常に重要な性能の一つです。価格の高いオイルフィルターは、この耐久性において優位性を持っています。
安価なオイルフィルターでは、ろ紙の強度やケースの材質、Oリングなどのパッキン類にコストをかけられない場合があります。これにより、熱や圧力、振動によってろ紙が早期に破損したり、ケースが変形したり、パッキンが劣化してオイル漏れを引き起こすリスクが高まります。フィルターが破損すれば、ろ過されていないオイルがエンジン内部を循環し、エンジンに致命的なダメージを与える可能性も否定できません。
対照的に、高価なオイルフィルターは、耐熱性・耐圧性に優れた高品質なろ紙や金属製のケース、耐久性の高いゴム製Oリングなど、厳選された素材を使用しています。これにより、エンジンオイルの交換サイクルまで安定した性能を維持し、過酷な使用条件下でもフィルターとしての機能を確実に果たします。エンジンの保護を第一に考えるのであれば、耐久性の高いオイルフィルターを選ぶことは賢明な選択と言えるでしょう。
違い③マグネットの有無
一部の高性能オイルフィルターには、内部に強力なマグネット(磁石)が内蔵されているものがあります。これは、ろ過性能とは異なるアプローチでエンジンを保護するための機能です。
エンジン内部では、金属部品同士の摩擦によって微細な鉄粉が発生します。一般的なオイルフィルターのろ紙は、主に不純物を物理的にろ過するものであり、非常に微細な鉄粉はろ過網をすり抜けてしまうことがあります。そこで、マグネット付きのオイルフィルターは、ろ紙をすり抜けた鉄粉を磁力で吸着し、オイル中から除去する役割を果たします。
特にエンジンが新しい段階や、チューニングされたエンジンなど、初期摩耗や高負荷運転で鉄粉が発生しやすい状況では、マグネット付きオイルフィルターの効果が期待できます。
この機能は、エンジンオイルの清浄性をさらに高め、エンジンの摩耗を抑制する補助的な役割を担いますが、マグネットの追加分だけ製造コストがかかるため、一般的に高価な製品に採用されています。すべてのオイルフィルターに必須の機能ではありませんが、より徹底したエンジン保護を求める方には選択肢の一つとなります。
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オイルフィルターの製品ごとの価格比較!
オイルフィルターの価格は、その種類やブランドによって大きく異なります。ここでは、代表的な3つのカテゴリーに分けて、それぞれの特徴と価格帯を比較します。
標準的なオイルフィルター:純正品
純正オイルフィルターは、自動車メーカーがその車両のために設計・製造、または指定した製品です。新車時に装着されているものと同じ品質基準を満たしており、車両との適合性や性能は保証されています。ディーラーや自動車メーカーの部品販売ルートで入手できます。
純正品の価格帯は、車種やメーカーによって多少の差はありますが、一般的には1,000円から2,500円程度で販売されています。品質と信頼性が高く、安心して使用できる点が最大のメリットです。
種類 | 特徴 | 価格帯(目安) | 主な供給元 |
---|---|---|---|
純正品 | 車両メーカーの厳格な品質基準を満たす。確実な適合性と信頼性。 | 1,000円~2,500円 | トヨタ、ホンダ、日産、スズキなど各自動車メーカー |
高いオイルフィルター:高性能オイルフィルター
高性能オイルフィルターは、一般的な純正品や社外品と比較して、ろ過性能、耐久性、または特定の機能が強化された製品です。スポーツ走行をする車両や、エンジン保護を特に重視したい場合に選ばれることが多いです。
これらのフィルターは、より目の細かいろ紙を使用したり、圧力損失を低減する構造を採用したり、耐熱性や耐圧性を高める素材を使用したりしています。また、強力な磁石を内蔵し、オイル中の鉄粉を吸着するマグネットフィルターもこのカテゴリーに含まれることがあります。
価格帯は2,000円から5,000円、中にはそれ以上の価格で販売されるものもあります。代表的なブランドとしては、HKS、BLITZ、TRUST(GReddy)、PIAAなどが挙げられます。これらの製品は、エンジンの寿命延長や性能維持に寄与するとされています。
種類 | 特徴 | 価格帯(目安) | 代表的なブランド |
---|---|---|---|
高性能オイルフィルター | ろ過性能、耐久性、圧力損失、特殊機能(マグネットなど)を強化。 | 2,000円~5,000円 | HKS、BLITZ、TRUST(GReddy)、PIAAなど |
安いオイルフィルター:社外品
社外品オイルフィルターは、自動車メーカー以外の部品メーカーが製造・販売している製品です。カー用品店やインターネット通販で広く流通しており、純正品よりも安価で購入できる点が最大の魅力です。
価格帯は500円から1,500円程度と、非常にリーズナブルなものが多く見られます。多くの社外品は、純正品と同等またはそれに近い性能を持つように設計されていますが、中には品質にばらつきがある製品も存在します。信頼できる大手メーカー製の社外品を選ぶことが重要です。
代表的な社外品メーカーには、BOSCH(ボッシュ)、DENSO(デンソー)、ユニオン産業、アルプス工業、PMCなどがあります。これらの製品は、コストを抑えつつ定期的なオイルフィルター交換を行いたい場合に適しています。
種類 | 特徴 | 価格帯(目安) | 代表的なブランド |
---|---|---|---|
社外品 | 純正品と同等以上の品質を持つものから、安価な汎用品まで幅広い。コストパフォーマンス重視。 | 500円~1,500円 | BOSCH(ボッシュ)、DENSO(デンソー)、ユニオン産業、アルプス工業、PMCなど |
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オイルフィルターのおすすめ選び方は?
オイルフィルターを選ぶ際には、ご自身の車の使用状況やメンテナンスに対する考え方、そして予算に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。ここでは、具体的な選び方のポイントをご紹介します。
費用対効果を求めるなら社外品
コストを抑えつつも、確かな品質のオイルフィルターを選びたい方には、信頼できるメーカーの社外品がおすすめです。社外品は純正品に比べて価格がリーズナブルな傾向にあり、選択肢も豊富です。しかし、中には品質が低いものもあるため、メーカー選びが重要になります。
項目 | 社外品のメリット | 社外品の注意点 |
---|---|---|
価格 | 純正品よりも安価な製品が多く、コストを抑えられる | 極端に安価な製品は品質にばらつきがある可能性 |
選択肢 | 様々なメーカーから多種多様な製品が提供されており、選択肢が豊富 | 車種への適合確認が必須 |
性能 | PIAA、ボッシュ、デンソーなどの大手メーカー品は純正同等以上の性能を持つものも多い | 無名メーカーや安価な製品はろ過性能や耐久性が劣る可能性 |
定期的にオイルフィルターを交換する習慣がある方や、日常使いの車であれば、これらの信頼性の高い社外品を選ぶことで、費用対効果を最大化できるでしょう。
性能重視なら高性能オイルフィルター
エンジンの保護性能を最優先したい方や、スポーツ走行を楽しむ方、チューニングカーに乗っている方には、ろ過性能や耐久性に優れた高性能オイルフィルターが最適です。これらのフィルターは、微細なスラッジや不純物を効率的に除去し、エンジンの摩耗を抑制することで、エンジンの寿命を延ばし、本来の性能を維持するのに貢献します。
項目 | 高性能オイルフィルターのメリット | 高性能オイルフィルターの注意点 |
---|---|---|
ろ過性能 | より微細な不純物を捕集し、エンジンオイルの清浄度を高く保つ | 価格が高価な傾向にある |
耐久性 | 高負荷や高温環境下でも安定した性能を維持し、長寿命設計 | 必ずしもすべての車両に必要というわけではない |
特殊機能 | 強力なマグネット内蔵で鉄粉を吸着するものや、オイル流量を最適化するものがある | 交換サイクルは守る必要がある |
価格は高めですが、愛車のエンジンを大切にしたいと考える方には、十分な投資価値があると言えるでしょう。
迷ったときはプロに相談するのもおすすめ
オイルフィルター選びに迷ったり、ご自身の車にどのフィルターが最適か判断に困る場合は、専門家であるプロに相談することをおすすめします。ディーラーや認証整備工場、大手カー用品店のスタッフは、車種ごとの適合情報や、お客様の車の使用状況に合わせた最適なオイルフィルターを提案してくれます。
特に、輸入車や特殊な車種の場合、純正品以外に適合する社外品が見つかりにくいことがあります。また、オイルフィルターの交換作業自体が不安な場合も、プロに任せることで確実かつ安全に作業を完了できます。費用はかかりますが、安心と確実性を得られるため、選択肢の一つとして検討してみてください。
オイルフィルターの交換目安は守るよう注意
どんなに高性能で高価なオイルフィルターを選んだとしても、適切な交換目安を守らなければ、その性能を十分に発揮することはできません。オイルフィルターは使用するにつれてろ材に不純物が蓄積し、ろ過性能が低下していきます。最終的には目詰まりを起こし、オイルの流れが悪くなることで、エンジンの保護性能が著しく損なわれる可能性があります。
一般的に、オイルフィルターの交換目安は「エンジンオイル交換2回につき1回」または「走行距離1万kmごと」、あるいは「1年ごと」とされています。ただし、車の取扱説明書に記載されている推奨交換時期を必ず確認し、それに従うようにしましょう。
また、短距離走行が多い、未舗装路を頻繁に走行する、頻繁にアイドリングを行うなど、エンジンに負担がかかりやすい「シビアコンディション」で車を使用している場合は、より早めの交換が推奨されます。定期的な交換こそが、エンジンの健康を保つ最も重要なメンテナンスであることを忘れないでください。
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オイルフィルターは高い安いよりも機能性と交換目安を重視しよう
オイルフィルターの価格差は、ろ過性能、耐久性、そしてマグネットの有無といった機能の違いに直結します。高価な高性能フィルターはエンジンの保護性能が高く、安価な社外品はコストを抑えつつも必要十分な性能を提供します。
選ぶ際は、ご自身の予算や車の使い方、求める性能に合わせて、費用対効果の高い社外品か、エンジン保護を最優先する高性能品かを見極めることが重要です。しかし、最も重要なのは、価格に関わらず推奨される交換目安を必ず守ること。これにより、エンジンの寿命を延ばし、車の性能を維持できるでしょう。