トラックなどの貨物を固定するために用いるベルトを「ラッシングベルト」といい、物流業界では必須のアイテムです。
ラッシングベルトといっても「ベルト幅」や「固定用のバックル」、「末端金具」など種類が幅広いです。運搬する荷物に合わせて適切な用品を選ばなければ、重大な事故にもつながりかねません。
この記事では、ラッシングベルトの選び方や種類について解説していきます。
- 【目次】
- ラッシングベルトの選び方
- 1.ベルト幅で選ぶ
- 2.ベルトの厚みで選ぶ
- 3.ベルトの形で選ぶ
- 4.ベルトの素材で選ぶ
- 5.ベルトの織り方で選ぶ
- 6.破断強度・使用荷重で選ぶ
- 7.ベルトの長さで選ぶ
- 8.バックルで選ぶ
- 9.末端金具で選ぶ
- 10.安心できるメーカーかどうかで選ぶ
- ラッシングベルトの種類
- まとめ
ラッシングベルトの選び方
ラッシングベルトは、貨物を押さえつける役割を果たすことに非常に重要な用品です。
そのため、正しいラッシングベルトの選び方について知識をつけておく必要があります。 ラッシングベルトの選び方は、以下の通りです。
- ベルト幅で選ぶ
- ベルトの厚みで選ぶ
- ベルトの形で選ぶ
- ベルトの素材で選ぶ
- ベルトの織り方で選ぶ
- 破断強度・使用荷重で選ぶ
- ベルトの長さで選ぶ
- バックルで選ぶ
- 末端金具で選ぶ
- 安心できるメーカーかどうかで選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
1.ベルト幅で選ぶ
一般的に、ベルト幅は下記を目安として使い分けられます。
貨物の重さ |
ベルト幅 |
軽荷重用 |
25mm |
中荷重用 |
35~45mm |
重荷重用 |
50mm |
超重荷重用 |
60~75mm |
20mm以下の細いベルトもあり、操作性も良く使用しやすいのですが、主に自転車の荷物を運ぶ際に使われます。トラックの作業用品には向いていません。
2.ベルトの厚みで選ぶ
ベルトの厚みは1.2mm~5mm程度の用品が扱われており、ベルト幅と同様に厚いものであれば強度は増します。
中にはベルト幅が同じでも、厚みが若干異なる用品もあります。重量物を扱う強度が必要な場面では、なるべく厚いベルトを選びましょう。 ただし、厚みが増すほど固くなり操作性は落ちるため、使いやすくするためには多少慣らすことをおすすめします。
3.ベルトの形で選ぶ
ラッシングベルト自体の形は、基本的にどのベルトも縦長の長方形のデザインです。
縦長の形状はどれも同じですが、その中でも細長いものや厚さが薄いものなど種類はさまざまです。 ラッシングベルトは貨物の固定が目的なので、ベルトの幅の面積の大きさと厚みの厚さは固定強度と比例しています。
4.ベルトの素材で選ぶ
ベルトの素材は、主に3種類あります。
1つ目が「ポリエステル」です。弾性率が高く、硬質な素材のため変形が少なく吸水性能が高いため、濡れても乾きやすい素材になります。
2つ目は「ナイロン」です。特徴として伸縮性があり破れにくく、耐摩耗性にも優れています。一方、固縛していても振動で緩みやすいです。
3つ目が「ポリプロピレン」です。比較的軽量で耐薬品性や耐水性に優れていますが、強度が劣ってしまいます。
5.ベルトの織り方で選ぶ
ラッシングベルトには、「平織り」「綾織り」の2種類の形があります。
より大きな強度を求めていく場合は、ベルトの形状や素材のみならず織り方も重要です。 平織りは、繊維を一本ずつ縦横交互に織り込んでいます。引っ張る強度や摩擦強度に優れており、非常に頑丈な織り方です。
綾織りは、2〜3本の横糸の間に縦糸を通したあと、1本の横糸の下に縦糸を通す方法です。強度は落ちますが、伸縮性に優れた織り方です。
6.破断強度・使用荷重で選ぶ
ラッシングベルトを選ぶ際は「破断荷重」と「使用荷重」が重要です。
破断荷重とは、ベルトの引張試験で荷重を加えて実際に破断を引き起こす重さのことです。そのため、ベルトに定められた必要以上の荷重を加えると、破断する可能性が高いです。
使用荷重は破断荷重の1/4、1/5程に定められています。安全に使用するための限界重量で、使用荷重を超えて使用し続けると劣化スピードも速くなるのが特徴です。
7.ベルトの長さで選ぶ
ラッシングベルトの全長は主に3~10mです。
商品には、固定用ベルトと調整用ベルトでそれぞれの長さが記載されています。長すぎると使いづらいため、1~2tのトラックでは4m程度の調整用ベルトが使われるケースが多いです。荷物の高さによっては、長さの調整が必要になります。
長すぎたものを選んだ場合、後で切断し微調整も可能なので、若干長めの商品を選んでおきましょう。
8.バックルで選ぶ
ラッシングベルトを選ぶ際は、バックルで選んでください。
バックルはベルトの留め具部分で、3つの種類があります。1つ目が「ラチェット式」です。ハンドルを往復させてベルトを巻いている軸が回転して締め付けるため、強く固定したい場合に使用してください。
2つ目が「オーバーセンターバックル式」です。ハンドル部分を180度倒すと、ベルトに固定できるので非常に簡単に操作できます。
3つ目が「カムバックル式」です。引き締めたベルトをバックルで固定する方法で、シンプルな構造になります。他2つのバックルと比べると、締め付け力が弱いため、軽作業に向いているのが特徴です。
9.末端金具で選ぶ
末端金具には、3つの種類があります。
1つ目は「フックタイプ」です。金具には「ナローフック」「オープンフック」などの種類があり、トラック側のリングにかけて固定します。
2つ目が「リングタイプ」です。金具が「D」や「三角形」のリングなどの種類があります。輪っか部分を車体側のフックにひっかけ使用します。
3つ目が、「ワンピースタイプ」です。ラッシングレール専用の固定金具で、4点で固定するもので、ダブルワンピース金具やリング付きの金具などの種類もあります。
10.安心できるメーカーかどうかで選ぶ
ラッシングベルトを選ぶ際は、安心できるメーカーのものを選びましょう。
トラックの運送中、ラッシングベルトに不具合があり事故が起きてからでは、取り返しがつきません。事故を防ぐためには、安全性の高い品質が担保されているメーカーを選ぶことはとても重要です。
ラッシングベルトの種類
ラッシングベルトの種類は、以下の3種類です。
- 両端金具タイプ
- 両端アイタイプ
- エンドレスタイプ
3種類のベルトは、用途によって使い分けなければなりません。上記のラッシングベルトの種類について、それぞれ紹介します。
両端金具タイプ
両端金具タイプは、ベルトの端に鉄やステンレス製の固定用のフック、クリップ金具がついています。
レールなどに固定して引っかけるだけで使用できるので、取り付けが簡単です。ただし、金具がトラックのボディにぶつかり、傷つける恐れがあります。さらに、引っかけて取り付けているだけなので、衝撃で外れる可能性もあり、場所にあった形状を選ぶことが大切です。
両端アイタイプ
両端アイタイプは、ベルト両端がループ状の輪っか状になっており、トラック(平ボディ)のロープフックに引っかけやすいです。
金具ではなく布タイプになっているので、ボディを傷つける恐れがありません。布製で柔軟性がありますが、一度傷ついたら傷ついた箇所から裂ける可能性があります。比較的早い段階で交換が必要です。
両端アイタイプは、金具タイプより劣化が早いため、長期間の使用は難しいです。
エンドレスタイプ
エンドレスタイプは、先端がなく全体が大きな輪っかになっており、貨物全体を囲むように固定して使用できるのが特徴です。
細長い荷物の締め付けやパレット上の貨物に巻いて固定し、運搬中に落下しないように使用されることが多いです。
まとめ
この記事では、ラッシングベルトの選び方や種類について解説してきました。
ラッシングベルトは、場所に応じて正しいものを取り付ける必要があります。荷崩れする可能性もある重要なアイテムで、安易に選ぶのはとても危険です。 自分の必要性に応じたラッシングベルトを選ぶと、貨物の保護のみならず、ドライバーや他車の安全も守って運搬できます。
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