エンジンオイルを混ぜても大丈夫?NGケースと正しい混合方法


自動車の心臓部であるエンジンを長持ちさせるため、エンジンオイルの質は非常に重要です。

しかし、様々な理由から、違うエンジンオイルを混ぜる必要が生じることがあります。この行為、一見簡単そうに見えても実はリスクが伴います。

今回のテーマは、エンジンオイルを混ぜる際に発生する可能性のある問題と、それを避けるための適切な方法についてです。故障やパフォーマンス低下を防ぐための重要なポイントをわかりやすく解説しますので、車のメンテナンスに関心のある方はぜひご一読ください。

     【目次】
  1. エンジンオイル混合の基礎知識
  2. エンジンオイル混合の理由とシチュエーション
  3. エンジンオイル混合のNGケース解説
  4. 正しいエンジンオイルの混合方法
  5. 継続使用におけるエンジンオイル管理
  6. まとめ

エンジンオイル混合の基礎知識

エンジンオイルは、エンジンがスムーズに動作するために必要不可欠な液体です。エンジンの内部を潤滑し、冷却、清浄、防錆など様々な役割を担っています。そのため、エンジンオイルの種類や、適切な混合方法を理解することは、自動車の維持するために非常に重要です。

エンジンオイルには、多種多様なタイプが存在し、それぞれ異なる特性を持っています。オイルの粘度やベースオイルの種類によって、使用するエンジンや走行条件に適したオイルを選択することが大切です。ここでは、それぞれのエンジンオイルの特徴を理解し、混合する際の基本的な配慮点をご紹介します。

エンジンオイルの選択や混合に間違いがあると、エンジン性能の低下を招くことになりかねません。エンジンオイル混合に関する正しい知識を身につけ、車のエンジンを効率良く、そして長持ちさせるためにこの基礎知識を押さえておきましょう。

エンジンオイルの種類と特徴

エンジンオイルは大きく分けて「鉱物油」「合成油」「部分合成油」の3つに分類されます。鉱物油は自然の石油を精製して作られ、安価で幅広い車種に使用されています。一方、合成油は化学工学により特定の性能を高めたオイルで、高性能エンジンや過酷な走行条件に適しています。部分合成油は、鉱物油に合成油をブレンドしたもので、バランスの良い性能を持ちます。

また、オイルの粘度は「SAE規格」によって分類されており、「0W-20」や「5W-30」など、ダッシュの前の数字が低温時の粘度、後の数字が高温時の粘度を表しています。これにより、使用する気候や車の状態に適したオイルを選ぶことができるのです。

エンジンオイルには一定の性能持続期間があり、使用を続けることで性能が低下します。定期的な交換がエンジン性能を維持するためには必要ですが、緊急時の対応として異なるエンジンオイルを混合することもあります。ただし、その際にはいくつかの配慮点を押さえておく必要があります。

混合時の基本的な配慮点

エンジンオイルを混合する際に最も重要なのは、粘度の範囲内で混合することです。粘度が異なるオイルを混ぜることは、エンジンへの潤滑性能に影響を与え、最悪の場合エンジンを痛める原因にもなります。そのため、可能な限り同じ粘度のオイルを混合するようにしましょう。

次に、同一ブランド、同一シリーズのオイルを混合するのを推奨します。これにより、添加剤の反応や化学的不安定性を避けることができ、エンジンオイル本来の性能を保ちやすくなります。理想的には全く同じオイルを使用することが望ましいですが、状況に応じて適切な選択を行いましょう。

混合する際は、必ず交換前のオイルをしっかりと排出した後、新しいオイルを補充することが求められます。オイル交換の間隔を守り、古いオイルと新しいオイルが混ざることを極力避けることで、エンジンオイルの性能を長く維持することができるでしょう。万が一、異なるオイルを混合する必要がある場合には、上記の点を踏まえた上で慎重に行い、その後早めの全量交換を行うことをお忘れなく。

エンジンオイル混合の理由とシチュエーション

自動車のメンテナンスにおいて、エンジンオイルは潤滑や冷却、洗浄といった多くの役割を担っています。しかし、オイルの種類は多岐にわたり、時には異なる種類のオイルを混ぜる必要が生じることがあります。ここでは、エンジンオイルを混ぜる理由と一般的なシチュエーションについて説明します。

エンジンオイルを混ぜる必要が生じるシチュエーションはいくつか考えられますが、主な理由には予防保全、緊急時対応、パフォーマンス向上などがあります。使い慣れたオイルの性能を信じ、別の性能を加えたい、あるいはオイルが不足し、すぐに同じ種類の補充ができない場合など、さまざまな状況がエンジンオイルの混合を引き起こします。

混合は場合によってはエンジンへの害にもつながり得る行為ですから、どのような時に混合が許されるのか、またその際にどのような方法を取るべきかを理解することが重要になります。以下、具体的なシチュエーションに分けて解説していきます。

緊急時の対応としての混合

エンジンオイルが意外な速さで減少し、適切なタイプのオイルが手元にない場合、緊急時対応として混合することがあります。例えば長距離のドライブ中や旅先で、急なオイル漏れや消耗が見られたときです。このような時、エンジンを守るため、現地で入手可能なオイルで一時的に補充することが行われます。

しかし、こうした混合はあくまで一時的な対応策と考えるべきであり、車両のメーカーが推奨するオイルにできるだけ早く戻すことが望まれます。緊急時にはオイルの粘度や基油タイプの違いを最小限に留めることで、エンジンに与える影響を軽減できます。

また、オイルの混合に際しては、最初に使用していたオイルの種類をできるだけ記録し、緊急時の混合が終わった後で、適切な交換時期を見計らって専門家によるプロフェッショナルなアドバイスを受けることが肝要です。

パフォーマンス向上を目的とした混合

一部のドライバーや整備士は、エンジンの性能向上や特定の環境下でのパフォーマンス向上を目的として、意図的に異なるエンジンオイルを混合します。例えば、低温環境下での潤滑性を高めるために、寒冷地用のオイルを夏用のオイルと混ぜるなどが挙げられます。

しかし、このような混合も車両の保証が受けられなくなるリスクをはらんでおり、推奨されるケースは限られています。パフォーマンス向上を目的とした混合は、オイルの性質や相互作用を理解した、高い専門知識を持つ者だけが行うべきです。

また、潤滑性や耐熱性などオイル本来の特性が十分に発揮されないことがあるため、一般的には同じ規格とブランドのオイルを使用し続けることが安全だとされています。パフォーマンス向上を目指すなら、メーカーの指定する適切なオイルを適正間隔で交換することが、最も効果的な方法です。

エンジンオイル混合のNGケース解説

粘度や添加剤の相違が及ぼす影響

エンジンオイルを混合する際、最も注意するべきは粘度と添加剤の違いです。異なる粘度をもつオイルを混ぜると、理想的な潤滑状態が得られず、適正範囲外の粘度によりエンジンの性能が損なわれる可能性があります。また、オイルそれぞれに配合された添加剤の相違が反応し、予期せぬ化学変化が起こるリスクがあることも覚えておくべきです。

粘度の例を挙げれば、温暖な気候で使用されることが多い「10W-40」と寒冷地に適した「5W-30」があります。これらの値はオイルが機能する温度範囲を示しており、混合した場合、特定の気温下での性能が保証されなくなる恐れがあります。

添加剤については、スラッジや酸化を防止するために各メーカーが独自の配合を行っています。これらが混ざり合うことで、オイルの性能が逓減したり、予期せぬ反応を引き起こしたりするケースが考えられるのです。

オイル性能低下のリスクとエンジンへの損傷例

オイルの性能が低下すると、エンジン内部の保護機能が著しく低下し、摩耗や腐食の拡大を促す可能性があります。特に、エンジンシールの硬化やオイルポンプの異常稼働など、見逃されがちなトラブルが起こりうるため、注意が必要です。これらの現象は、故障への一歩を意味しています。

具体的な損傷例としては、ピストンリングやベアリングといったエンジンの摩擦部品が挙げられます。混合したエンジンオイルが十分な潤滑作用を果たさない場合、これら部品の摩耗が加速し、最悪の場合、エンジンオーバーホールが必要となることもあります。

また、オイルの粘度が適切でない場合、冷却系統にも影響を及ぼすことがあり得ます。エンジンが正常に冷却されない状況は、エンジンのオーバーヒートを引き起こし、ヘッドガスケットの焼損やシリンダーヘッドの歪みといった重大なダメージにつながるかもしれません。

正しいエンジンオイルの混合方法

エンジンオイルを混合する際には、一定の正しい方法で行わなければなりません。自動車のエンジンは非常に精密な機械であり、その性能と寿命を維持するためには適正なオイル管理が重要です。不適切な混合はエンジン性能の低下や故障の原因となる可能性があるため、正しい知識を持って作業を行うことが肝心です。

混合するエンジンオイルは、できるだけ同じブランド、同じ種類のものを選ぶのがベストですが、緊急時には異なる種類のオイルを混ぜざるを得ない場合もあります。このとき、エンジンにとって無害な方法で、適切なオイル混合を実施する必要があります。

以下に、適切なオイルの選択基準から混合時の手順と注意点までを、具体的に解説していきます。これにより、エンジンオイルを混ぜる際の正しい行い方をご紹介することで、エンジンへのダメージを最小限に抑えることができます。

推奨されるオイルの選択基準

推奨されるエンジンオイルを選択する際の主な基準には、粘度、API規格、ILSAC規格があります。まず粘度については、オイル缶のラベルに記載されている「5W-30」のような数値が指標となり、低温時の流動性と高温時の粘度を表す数字です。車両の取扱説明書で推奨されている粘度をもとに選ぶことが大切です。

次にAPI規格は、オイルの性能水準を示し、新たな規格は通常、古いものと互換性があります。しかし、API規格が古いオイルを新しい車に使用する場合は性能不足によるリスクがあるため、最新の規格に従ったオイルを選択しましょう。

ILSAC規格も同様に、オイルの性能指標であり、特に燃費性能やエンジン保護に焦点を当てた基準です。最新の規格が提供する利点を享受するためには、車両に推奨されるILSAC規格のオイルを使用することが望ましいです。

混合時の手順と注意点

エンジンオイルを混合する際の正しい手順を守ることが重要です。まずオイルを追加する前に、エンジンが冷えた状態でオイルレベルを確認し、必要な量のみを追加します。混合する際は新旧のオイルが完全に混ざるように、エンジンをアイドリングで運転して循環させましょう。

異なる粘度やメーカーのオイルを混ぜることは不推奨とされていますが、緊急の必要性に迫られた場合、同じAPI規格およびILSAC規格のものを選び、できるだけ同じ粘度のオイルを選択するのがベストです。それによって、オイルの性質が大きく変わるリスクを軽減できます。

注油後は必ずオイルレベルを再確認し、過剰にオイルを入れないよう注意してください。オイルレベルが高すぎると、オイル泡立ちや漏れなどの原因になることがあります。また、経験が不足している場合や不安な場合は、専門の整備士に相談したり、整備工場に依頼したりすることも重要です。

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継続使用におけるエンジンオイル管理

車を適切にメンテナンスするうえで、エンジンオイルの管理は欠かせません。エンジンの寿命や性能維持に直結するこの要素は、定期的な点検と適切な交換時期の認識が不可欠です。また、異なる種類のエンジンオイルを混合する際には、その影響に注意を払う必要があります。

適切なオイル管理とは、ただ定期的に交換するだけでなく、エンジンオイルの色や濁り、臭いを確認することで、エンジンの健康状態を把握することも含まれます。走行距離や使用環境に応じたオイルの選定も重要です。

混合するエンジンオイルについては、特に粘度や成分が異なる場合、エンジンに与える影響を予測し、適切な判断が求められます。バイクからトラックまで、車種に合わせた正しいエンジンオイル選びと管理を心がけましょう。

定期的なオイルチェックと交換時期

エンジンオイルの劣化は、車の走行性能に深刻な影響を及ぼします。エンジンオイルの色が黒く濁り始めたら、様々な汚れや磨耗金属が混ざっており、性能が低下している兆候です。このサインを見逃さず、適切なタイミングでの交換が鍵を握ります。

また、走行距離や使用環境によってもエンジンオイルの交換時期は変わります。過酷な条件下で使用している車両は、交換時期を短めに設定することが肝要です。一般的には5,000km~10,000km毎または半年に一度の交換が推奨されていますが、使用状況に応じて適宜調整しましょう。

さらに、エンジンオイルの量も定期的にチェックする必要があります。オイルが不足している状態でエンジンを稼働させると、潤滑不足による破損や故障を引き起こす可能性があります。安全かつ快適なドライブのためにも、適正量を保つことをお忘れなく。

オイル混合後の状態監視とメンテナンス

エンジンオイルを混合する際は、互換性と粘度等級を確認することが肝心です。容認できる範囲内での混合であれば、機能や性能に大きな影響はないものの、異なる種類のオイルの特性が相互に影響し合うことも考えられます。

混合したエンジンオイルを使用している場合は、通常よりも状態監視を頻繁に行うことが推奨されます。オイルの濁りや異臭は劣化のサインであるため、見かけたら早急に専門家に相談し、必要に応じて交換作業を行いましょう。

また、混合オイルを使用したエンジンは念入りなメンテナンスが要求されることもあります。オイルフィルターの交換頻度を上げることで、混合による不純物の影響を軽減できる場合があります。エンジンの長寿命と高性能を維持するためには、細心の注意を払い、適切な混合方法を心掛けることが大切です。

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まとめ

エンジンオイルを混ぜるのは、慎重に行うべきです。

粘度や添加剤が違うオイルを混ぜると、潤滑性が損なわれ、エンジンにダメージを与える可能性があります。緊急時以外は、同じ種類、同じブランドのオイルを使用することをお勧めします。混ぜる必要がある場合は、同じ規格のオイルを選び、少量ずつ慎重に混合し、その後のエンジンオイルの状態を注意深く監視することが大切です。正しい知識と手順でエンジンオイルを管理しましょう。



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引用元:ヨロスト公式HP

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