「エンジンオイルが漏れているかもしれないけれど、何が原因?」「オイル漏れの応急処置が知りたい」などの悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。
オイル漏れを放置すると、エンジンの破損や車両火災へと発展する可能性があり、非常に危険です。
経年劣化やエンジンのオーバーヒートなどが原因として考えられますが、プロでなければ本当の原因を見分けるのは困難なため、できる限り早く修理に出すようにしましょう。
愛車と長く付き合うためにも、オイル漏れについての正しい知識を身につけましょう。
この記事では、エンジンオイルが漏れる原因や引き起こすトラブルについて解説します。
- 【目次】
- オイルパンとは?役割や形式を解説
- オイルパンからエンジンオイルが漏れる原因は
- オイルパンからオイル漏れていた時の対処法と応急処置は
- エンジンオイル漏れを放置することで起きるトラブル5選
- まとめ
オイルパンとは?役割や形式を解説
まず始めに、オイルパンと呼ばれるパーツについて紹介していきましょう。
オイルパンはオイルを溜めておく重要なパーツであり、破損するとオイル漏れに繋がります。
オイルパンの役割とは
エンジンオイルは車にとっての血液と言われるほど重要な役割を担っています。そのエンジンオイルを溜めておくパーツとして、エンジン下部に設置されているのがオイルパンです。
ここからポンプでオイルが吸い上げられ、車全体に運ばれていくイメージですね。
オイルパンでのエンジンオイルの管理方法
エンジンオイルを車全体に送る潤滑方式には2種類あります。
一般的な乗用車にはウェットサンプ方式、レーシングカーのような速さを求める車にはドライサンプ方式が使われているのです。それぞれの違いやメリット・デメリットについても紹介していきます。
ウェットサンプ方式
ウェットサンプ方式とは、オイルパンに溜められたオイルをポンプで吸い上げ、車全体に循環させるといったものです。
一般的な乗用車のほとんどにはこのウェットサンプ方式が採用されています。
車全体を回ったオイルは重力によってオイルパンに落ちていき、またポンプによって吸い上げられるのです。
ウェットサンプ方式にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリットについては以下の2点になります。
- シンプルな作りでエンジンオイルの残量もオイルパンについているオイルレベルゲージで測ることができる
- オイル排出用のドレンボルトが備わっているため交換の際にはこのドレンからオイルを抜くことが可能
反対に、ウェットサンプ方式のデメリットについても紹介します。
- 早い速度で曲がった際など、オイルパンが傾くとポンプがオイルを吸い上げることができずオイルの潤滑が不安定になる
- オイルパンの厚みの分、エンジンの搭載位置が上がって重心が高くなってしまう
このように、ウェットサンプ方式にはそれぞれメリット・デメリットがあります。オイルの潤滑が滞ると、エンジンに大きな損傷を与える場合もあるため心配ですよね。
ドライサンプ方式
続いてレーシングカーなどに多いドライサンプ方式について解説します。
ドライサンプ方式ではオイルパンのオイルをポンプで吸い上げたあと、外部にあるリザーバータンクに送られます。
そこからさらにポンプで吸い上げられ、エンジン全体に供給されるのです。ウェットサンプ方式とは違って2段階で行われるイメージですね。
これによって、オイルを溜めておく箇所が2か所になるため、安定した供給が可能になります。
仮にオイルパンが傾いてオイルの吸い上げが上手く行われなかったとしても、リザーバータンクからオイルを供給できるからです。
ドライサンプ方式のメリット・デメリットについては以下の通りです。
まずはメリットから見ていきましょう。
- オイルを溜める箇所が1つではないため安定した供給が可能
- 保管場所を2か所にすることでオイルパン単体の大きさを抑えることができ、重心を下げることができる
反対に、ドライサンプ方式のデメリットについても紹介します。
- 複雑な構造で部品数も多く、オイル漏れが発生しやすい
- 部品が複雑化してコストがかさんでしまう
このような理由から、乗用車への搭載は向いていないと判断されているようですね。
オイルパンからエンジンオイルが漏れる原因は
エンジンオイルが漏れてしまう原因は、大きく分けて以下の4つが挙げられます。
- オイルパンが壊れる
- ガスケットが劣化する
- エンジンがオーバーヒートする
- ドレンボルトに不具合が起きる
それぞれの原因について解説していくので、1つずつ確認していきましょう。
オイルパンに穴が空いている
1つ目のエンジンオイルの漏れの原因は、オイルパンの破損です。
オイルパンとは、循環しているエンジンオイルを冷却させるための一時的な溜まり場のことを指します。
走行中の風を当てて冷却するため、車体下部から丸見えの場所に設置されています。 経年劣化による破損や、ボルトの緩みが原因になっている可能性もあるので、オイル漏れが起きたらまずはここを確認してみましょう。
ガスケットの劣化
ガスケットの劣化がエンジンオイルの漏れの原因になることがあります。
ガスケットは、液漏れや気体漏れを防ぐ役割を果たしており、部品同士の隙間を埋めるための部品です。
隙間を埋めているガスケットが経年劣化により破損すれば、そこからエンジンオイルが漏れてしまいます。
ドレンボルトからのオイル漏れ
ドレンボルトに不具合が起きると、エンジンオイルの漏れにつながることがあります。
ドレンボルトは、タンク内のオイルが漏れないようにフタをする役割を持っており、ドレンボルトを抜くことで古いオイルを排出することができます。
ドレンボルトも経年劣化により摩耗していくので、定期的な交換が必要になる部品の1つです。
エンジンのオーバーヒート
エンジンのオーバーヒートもエンジンオイルの原因になります。
オーバーヒートすると、エンジンオイルは異常な高温下におかれるため、オイルの粘度の低下やガスケットがダメージを受けるなどの影響を受けます。
多くの部品の劣化につながるので、オーバーヒートすることがあればすぐ運転を止め、エンジンの冷却に努めましょう。
オイルパンからオイルが漏れていた時の対処法と応急処置は
オイル漏れの原因がオイルパンからの漏れだった場合の対処法を紹介します。
あくまで応急処置となりますので、処置を行ったあとは速やかに修理できる場所で修理をお願いしてください。
オイルの漏れている箇所を特定する
まずはオイルが漏れている箇所を特定しましょう。先述の通り、オイルパンは車体下部から丸見えの場所に設置されていますので、車を下から覗き込んで確認することができます。
オイルがぽたぽたと垂れるように漏れている場合、今すぐにエンジンが焼け付くほどの大きな問題にはなりません。
しかし、オイルが大量に流れ出るほどの漏れの場合、エンジンにダメージを負うリスクは高まります。どちらにしても修理は必須ですが、後者の場合は早急に修理を依頼してください。
液体ガスケットで応急処置を行う
オイル漏れの箇所がドレンボルトやオイルパンの破損の場合、自宅での処置は難しいでしょう。ガスケットの劣化で隙間から漏れ出ている場合でしたら、液体ガスケットを使用して応急処置を行うことができます。
処置を行う際には、オイルが手に付着しないようにゴム手袋などを着用しましょう。液体ガスケットの接着力が落ちないよう、接着面のオイルを脱脂して作業にあたります。乾くまでに24時間ほどかかる場合もありますので気を付けてください。
これによってオイル漏れを一時的に止めることが可能です。しかし、あくまで応急処置ですので早急に修理・部品の交換を検討してください。
エンジンオイルを注ぎ足す
エンジンオイルの漏れが深刻でない場合、エンジンオイルを注ぎ足すことで時間を稼ぐことができます。
注ぎ足すことは根本的な解決にはなりませんが、先述したようなトラブルに発展することを防ぐことができるかもしれません。 注ぎ足しを行う際は、水平で安全な場所に車をとめるようにしてください。
漏れ止め剤を使う
漏れ止め剤を使うことも、応急処置としては有効です。
漏れ止め剤はエンジンオイルに混ぜて使うもので、粘度を上げてエンジンオイルを漏れにくくします。
しかし、パッキンのような役割を果たしている「オイルシール」という部品が破損している場合は効果が期待できないので、注意しましょう。
オイルを粘度の高いものにする
オイルの粘度を高いものにすることも有効な方法の1つです。
サラサラしたオイルだと、劣化によってできたわずかな隙間から漏れ出しやすいです。
そこで粘度の高いものに変えることで流出を抑えられることがあります。 しかし、粘度の高いオイルが全ての車に適しているわけではないことや、根本的な解決にはなっていないということを忘れないようにしましょう。
エンジンオイル漏れを放置することで起きるトラブル5選
エンジンオイルの漏れを甘くみて放置しておくと、多くのトラブルを招きます。エンジンオイルの漏れの放置で起きるトラブルは、以下のとおりです。
- 車両火災につながる
- 査定金額が低くなる
- 車検が通らなくなる
- 排気ガスに白いガスが混じる
- エンジンが焼き付く
代表的なトラブルを5つ紹介するので、1つずつチェックしていきましょう。
車両火災につながる
エンジンオイルの漏れを放置すると、車両火災に発展する可能性があります。
オイルが漏れて減少すると、冷却が十分にできずエンジンの焼き付けを起こしてしまいます。
また、高温になったエンジンオイルがマフラーや高温部に接触することにより引火するリスクもあるので注意してください。
査定金額が低くなる
エンジンオイル漏れは放置すると修理に高額な費用がかかるため、愛車の査定金額が低くなります。
エンジンは「油汚れがなく、手入れが良い、一般調整程度で再販可能なもの」が標準状態とされており、重要なパーツなので査定への影響も大きいです。
早期に修理すれば、比較的費用を抑えることができるので、深刻化する前に対策をしてください。
車検が通らなくなる
オイル漏れの状態で走行することは道路交通法違反になるため、車検に通りません。
道路運送車両の保安基準では車両の幅や長さ、窓ふき器の設置など様々な規則が設けられています。
車検時に検査員が行う下回り検査でオイル漏れがあった場合、その時点で車検を通すことができないので早めに修理しておきましょう。
排気ガスに白いガスが混じる
エンジンオイル漏れを放置していると、排気ガスに白いガスが混じることがあります。
白いガスは、シリンダーとピストンの隙間にエンジンオイルが入り込み、それがガソリンと一緒に燃焼することで発生します。
その他にも、エンジンオイルの減少により白いガスが発生することがあるので、異常を感じたら早めに確認しましょう。
エンジンが焼き付く
エンジンオイルが漏れ続けると、オイルが不足しエンジンが焼き付けを起こしてしまいます。
エンジンオイルには、冷却以外に密封や防錆、清浄、潤滑などの役割があり、エンジンを稼働させる上で非常に大切な役割を担っています。 大きな故障が起きる前に修理をしてください。
まとめ
エンジンオイルの漏れる原因には以下の4つが挙げられます。
- オイルパンが壊れる
- ガスケットが劣化する
- エンジンがオーバーヒートする
- ドレンボルトに不具合が起きる
放置すると修理費用が高額になったり、車両火災を引き起こしたりする可能性が高まるので、なるべく早く修理しましょう。
早期に発見し修理すれば、修理費用を抑えられるだけでなく、愛車を長持ちさせることにもつながります。正しい整備をして、楽しいカーライフを送ってください。
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